1週間で50%以上売れ行きが変わることも。需要期を理解しよう

TrueDataパートナー企業、デジタルガレージの黒沢です。今回は、マーケティング効率を大きく左右する【需要期】について考えたいと思います。特に需要期による影響が大きい花粉症薬を例に解説します。下のグラフは昨年2018年1月29日週から5月14日週までの16週間における、全国のドラッグストアでの花粉症薬の売上金額推移を示しています。売上金額は週次売上金額の最大値を100%として、各週の売上を割合で示しています。

花粉症薬は、昨年全国では2月19日週に売上30%の【売れ始め】を迎え、1週間には売上が50%以上伸び、4週間後には【需要ピーク】を迎えるのがわかります。そのため、広告や販促施策の実施時期が、需要期から1週間ずれてしまうだけで、広告のROIは大きく落ちてしまいます。花粉症薬は季節商品ですのでこの傾向は顕著ですが、他の商品でも必ず需要期は存在します。

マーケッターや広告、販促担当は需要期週次単位で理解しておくことが必要です。

花粉前線が来る前に花粉症薬は売れ始めている

花粉症薬など季節性のある商品は、数日数週で売り上げが大きく変わってしまうことが分かりました。では、実際にはいつ広告や販促をしていくべきかを考えていきましょう。以下は関東地方の花粉飛散量と花粉症薬の売れ行きを示したものです。


出典:株式会社 True Data ID-POS分析ツール Dolphin Eye https://www.truedata.co.jp/dolphineye
環境省花粉観測システム(はなこさん)http://kafun.taiki.go.jp/index.aspx

2018年の関東地区の花粉前線は2月19日と発表されましたが、その時点で花粉症薬は30%以上の売れ行きを示しています。その後3月12日に関東では60%の飛散量を記録するのですが、花粉症薬はその2週前には90%を超える売れ行きを上げています。花粉症薬の需要は、花粉の飛散量を2週間以上先行していることがわかります。

需要期の地域差は予想以上に大きい

そして、もう一つ需要期を理解するうえで大切なポイントは、地域による需要期の差です。北日本と関東の花粉症薬の売れ行きを以下に示しました。


関東は2月19日週を売れ始めとして、3月12日週にピークを迎えるのに対し、北日本は2月26日週を売れ始めとして、3月26日週にピークを迎えています。地域による需要期の差は非常に大きく、これを考慮して地域ごとに広告や販促時期を設計することが重要です。広告や販促施策を全国一斉展開してしまっても、地域によって消費者側や店頭側の需要期に合わなくなるのです。

地域により需要期に変動のある商品の場合、全国一斉の広告や販促による機会損失は非常に大きなものになります。

日本は南北に長く寒暖差は大きく、そこに暮らす顧客の環境も様々です。地域格差の影響は非常に大きいことを知っておきましょう。

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