市場と購入者を理解する「0次分析」の基本とは?

「効果的な広告販促につながる「0次分析」とは?」で、ID-POSデータを使った0次分析の流れをご説明しましたが、今回はその1「購買傾向の把握」について、詳しくご説明します。

トレンド分析で市場を理解する

年間を通じたトレンドを見る際は、他のデータと重ねてみることが重要です。他の指標と重ねることで売り場の実態が分かります。
・該当商品が属するカテゴリはどの時期に売れて、どの時期に売れないのか。
・季節性だけではなく、イベントや曜日が関係しているのか。
・気温の影響はあるか。
・検索キーワードとの相関関係はあるか。
・広告出稿量との関係はあるか。

市場と自社商品の売れ行きにギャップはあるか、競合の売れ行きとの違いはなにか、データを重ね合わせることで、施策を打つべき時期などが特定できます。これらをふまえて、サンプルグラフを見てみましょう。

図1から、自社商品は夏場に売れ行きピークですが、関連商品は冬場にも需要があることがわかります。関連商品との連携で、冬場の売上機会を検討できるでしょう。

図2を見ると、気温が上昇したときに売上が急上昇しているため、気温との連動性があることもわかります。検索数が増加したときも同様に増減するため、検索数との相関性も考えられます。 このように、データを複数重ね合わせることで、仮説を検証したり、気付いていなかった新しい機会を発見することができます。

売上因数分解で商品購入者を理解する

売上は購入者と、一人当たりの購入金額に分解されます。そして、それぞれの因数における昨年や前期間との変化率を見ることで課題やとるべき施策の方向性が明確になります。

図3では、昨年と比較して売上全体は好調であるものの「一人当たり購入回数」が減少しています。つまり昨年よりも購入する頻度が少なくなったということになります。このような場合には、施策の頻度や質を見直し、ロイヤリティを高める施策を検討すべきでしょう。逆に図の左側「購入率」に課題がある場合は、売り場や広告に問題がある場合が多く、トライアルを促進する施策を検討すべきでしょう。

トレンド分析と売上因数分解は、簡単に市場と購買者の傾向を理解し、課題を浮き彫りすることができるため継続的に実施すべき基礎分析になります。売上因数分解を継続的に実施することで、営業、販促、広告などマーケティングの打ち手がどの因子に作用したかが理解できてきます。
複雑な分析に進む前に、これらの分析で正確に現状を把握することがなにより重要になります。

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