効果的な広告販促につながる「0次分析」とは?

良い仮説は正しいデータによる課題発見から

広告販促の企画を立てるとき、この課題は本当に正しいのか?この仮説は良い仮説なのか?自問自答があるのではないでしょうか?
良い課題を見つけられれば、企画も効果的なものになります。
当然ですが、企画に都合のいい調査データをもってきたり、すでにある仮説へ誘導するようなアンケート調査をしてはいけません。
良い課題を見つけるために、最初に見るべきデータの1つが購買データです。たとえ、認知をゴールにした広告施策だとしても、市場や購入者の正しい理解は欠かせません。これまでの広告施策でスイッチした新規購入者がどんな人なのか?20代女性は最近どんな商品を買っているのか?などを正しく把握することで、認知を促すべき正しいターゲットを導くことができます。

購買データを分析するメリットは、私見の入る余地の無い事実を把握できることです。そして、実際に分析結果を見てみると、誰も想定していなかった課題や傾向が多く見つかります。今回は良い課題発見につながる効率的なID-POSデータの分析方法を解説します。

良い課題が見つかる「0次分析」の基本レシピ

広告販促の課題抽出のために最初に行う分析を「0(ゼロ)次分析」と呼んでいます。仮説を立てる前に購買者の真の姿を見ることにより、正しい方向へプランニングできるようになります。ID-POSデータでは様々な分析手法がありますが、その中でも広告販促の課題抽出に活用している基本的な項目を整理しました。

ID-POSデータの分析は、大きな視点から始まり順にターゲットを絞っていく流れが理想的です。下図のように、まずは【購買傾向】の理解から始めます。次に【購入者の変化】、最後に【購入者の洞察】により購入者を可視化していくように順序立てて見ていきます。

ID-POSデータによる0次分析

1.購買傾向の把握「市場と商品購入者の理解」
購買傾向の把握では、年間を通じたトレンド分析を行い、カテゴリ全体では、夏に売れるのか?冬に売れるのか?売上の山を把握しつつ、広告販促対象商品とのギャップを確認します。さらに、気温や、検索キーワード、広告出稿量との相関関係を確認するなどして、消費の傾向を把握しつつ、施策を打つべき時期などを特定します。
また、自社商品の売上の構成要素を把握します。これにより直近1年間の購買の全体傾向を可視化します。

2.購入者の変化「狙うべき購入者たちの明確化」
次に、購入者の変化を可視化します。ロイヤリティ変化では、年代や購入個数、購入回数の変化を確認します。これによりどんな購入者が増減しているか分かるため、新規施策、リピート施策、ターゲット年代に応じた広告販促施策の方向性をさぐることができます。さらに、シェア上昇分析では、ターゲット年代に流行っている商品を理解し、購入者像を明確化していきます。

3.購入者の洞察「購入者の生活と好みの理解」
購入者の洞察では、購入者のライフスタイルや、ブランドスイッチ先の商品を確認します。期間併買分析では購入者が対象商品以外にどのような商品を購入しているかを見ることで、購入者のライフスタイルを洞察できます。また、自社/競合のスイッチ分析により、真の競合商品は何なのか?が分かります。我々が意図しない商品が競合として浮かび上がることもあります。これらの分析を通じて、購入者がどんな生活をおくりどんな選択をしているかを理解していきます。

ID-POSデータを活用し、上記3つの経過を経て購入者を可視化することにより、正しい課題を把握し、精度の高い良い仮説を導くことができます。

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