前回は「市場と購入者を理解する0次分析の基本」をお伝えしましたが、今回はその2「購入者の変化」について詳しくご説明します。
シェア上昇分析では、ターゲット年代に流行っている商品を理解し、購入者像を明確化していきます。ロイヤリティ変化では、年代や購入個数、購入回数の変化を確認します。これによりどんな購入者が増減しているかが分かるため、新規施策、リピート施策、ターゲット年代に応じた広告販促施策の方向性をさぐることができます。
それではステップごとに見ていきましょう。
シェア上昇分析で市場の変化をみる
下図は昨年同月と比較してカテゴリのシェアがどれぐらい上昇したのか、昨年のシェアと今年のシェアの差によってランキングされています。これを見ることで市場の流行が把握できます。
さらにカテゴリを深堀り、商品毎のシェア上昇を見ることで、定番商品の変化や流行商品を把握できます。
データ出典:購買データ分析ツール「Dolphin Eye」
ロイヤリティ変化で購入者の変化をみる
下図はID-POSデータによる自社商品購入者の1年間の購入回数構成比です。年に1回購入者数が全体の67%を占めていますが、購入金額にすると35%にとどまり、年に2回以上購入する複数回購入者で売上の65%を占めています。昨年対比でみると、年に1回購入者数が伸びているため、新規顧客をとれたことがわかりますが、売上構成を考えるとリピート施策を打つべきでしょう。さらに、自社商品と競合商品のロイヤリティ変化を比較することで、ターゲットの可視化や施策の打ち出しに役立てることができます。
このように、市場のヒット商品を発見し、自社商品と競合商品購入者の違いを見出すことで、よりターゲットに沿った広告販促施策を打ち出すことができるでしょう。
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