ID-POSデータの活用範囲は拡大している？

これまでID-POSデータの活用については、商品開発やマーケティング等、一部の部門による活用に限られていました。

しかし、最近ではID-POSデータの質、量、速さの点で拡大と改良が進み、POSデータ以上の量「数千店舗以上のデータ量」で、購買者の年代や性別、購買行動を数日で分析可能な体制が整ってきました。さらに、セミナーなどの勉強会やメディアを通じて、分析ノウハウの蓄積と共有も進んできており、その活用範囲は広がる傾向にあります。

ID-POSデータの部門別活用例

広告販促、営業領域での活用が加速した要因とは？

なぜ今、多くの領域で活用が加速してきているのでしょうか？その要因は複数あります。

1つはデータ量の拡大と更新速度の向上により数千店舗の購買データを数日以内に把握できるようになったことです。これにより、広告販促効果の迅速な把握が可能になり、高速PDCAを回す運用等が可能になりました。

次に、データ量の向上が他のビッグデータとの連携精度をあげていることが挙げられます。これまでのインターネット調査等、数万人以下の調査では決して可視化できなかった少数購買や、日単位や市町村単位など微小な単位での変化を捉えられるようになりました。これにより検索エンジンの検索データ、気温などの環境データ、携帯電話の位置情報との相関分析や、紐付けの精度が向上し、実用レベルに達しています。

さらに、ID-POSデータホルダー各社のデータ保有年数も10年を超え、より長い期間に渡り、1人1人のショッパーの購買を継続的に観測できることになりました。ID-POSデータの長所である「無意識下での購買行動把握」により、ターゲットの洞察を、現時点だけでなく、その変化を自由に遡って確認することができるようになりました。

今後、未活用の分野においてもデータの広がりや連携により、さらにその活用範囲を拡大していくことが予想されています。