ROIを計測できる調査方式4選
マーケティングROIの計測に活用される調査データは、インターネットによるアンケートや入力機器を用いた標本調査と、実データ(アクチュアルデータ)の収集による調査があります。
パーチェスファネル※の各段階における調査方式
※ パーチェスファネル:購入までの意識の遷移を図化したもの
インターネット会員調査も、実データによる調査もパーチェスファネルの各段階でさまざまな指標を計測できるためマーケティングROIの可視化に活用されています。しかし、それぞれの手法には長所と短所があり、マーケティング手法や売上規模、販売チャネルの多様性などにより最適な調査手法を選ぶ必要があります。
インターネット会員調査とID-POSデータの比較
パーチェスファネルの<行動・購買>段階における計測指標は、マーケティング活動のゴール(コンバージョン)となる指標となるため特に重要です。行動・購買を把握するために現在、メーカー様で広く活用をされている調査手法として、インターネット会員調査による消費者パネル調査とID-POSデータがあります。2つの調査手法の特徴を比較し以下にまとめました。
<行動・購買>を分析できる調査手法の特徴比較
インターネット会員に向けた調査はサンプル数が少なくデータの確定までの時間が比較的長いため、行動・購買の実態検証においてはPOSデータなどと組み合わせて使われます。それに対して、ID-POSデータは購買データそのものなのでバイアスが無く、正確に事象を把握することができます。豊富な実データとスピードの速さを活かし、効果計測や実態把握によく活用されます。ただし、調査範囲が小売店ごとに限定されるという弱点があります。
このことから、販売チャネルが広く、売上と広告投下量が大きい商品の場合は、効果計測と意識調査の両方をインターネット会員調査を活用するケースが多く見られます。逆に、調査対象の販売チャネルがID-POSデータの対象小売店とマッチしている場合は、売上が少ない商品や新発売の商品でも母数の多さで正確に把握でき、スピーディに購買実態を可視化できるID-POSデータが効果計測に活用されます。
また、ID-POSデータは無意識行動が現れるデータのため、無作為に仮説が無い状態で分析すると、まったく新しいファインディングスを得られることがあります。ID-POSデータは商品開発や、新たな購買行動の発見にも非常に有効なデータといえます。